建築の「切り欠き」とは?欠き込みとの違いと、壁倍率2倍で違法になる理由を解説

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切り欠きとは?切り欠きについて解説します

接合・納まりのために、部材同士を干渉なく取り合うように調整するための切除加工方法です。
干渉なくというが非常に重要ポイントですね

よく使われる用途

  • 部材どうしの納まり(干渉回避・嵌合)
  • 配管・電気・ダクトなどの貫通ルート確保
  • 仕口・継手における形状加工(相欠き、十字切り欠きなど)
  • 金属構造材における部分的な切除(H形鋼の切り欠きなど)
  • 屋根瓦や桟瓦等の納まりや重なり調整における切込み
  • 強度設計的には応力集中を起こす恐れがあるため、構造設計時には注意を要する

切り欠きと欠き込みの違いについて

「切り欠き」と「欠き込み」は字面的には非常に似ています。
その意味の違いについてかんがえてみました

切り欠き(きりかき/切欠き)

部材の一部を切り取って空間・溝・段差などを設ける加工全般。

切り欠きは構造部材・金属部材・鉄骨などで切り取り書こうとして使われることがよくあります

切り込み

部材に入り込むように切り取る、切り取りの入り口・食い込み的な形の加工。

切り込みはある部材に別の部材を“入り込ませる”ためにその部分を切り取るという感覚が強いからです

壁倍率2倍にするために切り欠きは利用できる?

結論から先に言うと、「切り欠きを用いて壁倍率(耐力壁性能)を 2倍 にする」というのは、
通常は 利用できない、または非常に慎重な検討を要する ケースです。


というよりも、非常にリスクがある手法で、基本的には 推奨されない

建築基準法施行令 第45条(筋かい)
「筋かいには、欠込みをしてはならない。
ただし、たすき掛けにするためにやむを得ない場合において、
必要な補強を行なったときは、この限りでない。」
という条文もあります!

ただ、やはりアウトでしょう!

可能であれば、切り欠きをせずにそのまま耐力仕様を満たす方法
(金物を使った接合、他部材の配置見直しなど)を優先的に検討すべきです。

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